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2007年度税制改正@(買い替え特例の延長)
06.12.22 Fri 
法人や個人事業主が10年超に渡って所有する事業用資産(不動産)の買い替え特例が2年間延長される事となりました。

一般的に「延長は無い。(2006年末までの買い替えが必要)」と言われていましたが、蓋を開けて見ると延長です。


ちなみに、もし買換特例が延長されていなかったら、以下の@〜Cの要件を満たさない物件の買換えであれば、通常通りの税率が適用される予定でした。

@現所有(売却)物件の保有期間は10年超である。
A現所有(売却)物件の所在地が、既成市街地等(東名大の商業圏の一部地域)内にある。
B現所有(売却)物件は、事務所及び店舗である。(現物件がアパートや駐車場などの場合は、駄目です。)
C新たに購入する物件が、既成市街地等以外の地域である。

上記@〜Cを整理すると、「都心のビルを売却して地方の賃貸物件や事業用地を購入すれば、今回の延長措置が無くても、事業用資産の買換え特例が受けれる事ができた。」という事になります。

“現在の流れである都心回帰と逆行する売買”を行ってまで資産組み換えを行う意味など、普通に考えれば無いと思います。

都心部に所有する不動産を売却し、次の倶知安町を予測して、地方のリゾート施設などを購入するというアグレッシブな姿勢でリスキーな不動産投資(資産組替)に臨もうというのであれば、別ですが。。(ちなみに、第二の倶知安町を狙って投資をするなら、沖縄や熱海など誰でもパッと思いつく先は既に価格が上昇しており、投資先としては少し遅いような気がします。)

 次に、延長された買換特例の概要やメリットについてご説明します。

この特例は、「福利厚生施設以外の10年超所有の賃貸物件や自社ビル等」を売却し、かつ他の事業用不動産を同一事業年度内に購入すれば受ける事のできる特例です。

どのようなメリット(優遇)があるかをご説明すると以下の通りです。

譲渡金額から、買換金額の8割を控除した金額(本来の金額の2割)が、譲渡税の課税対象金額となります。



 一応ですが、計算方法は以下の通りです。(読むのが面倒でしたら、飛ばして具体例からお読み下さい。)

(A)現所有(売却)物件の売却価格と買換資産の購入価格が同額か、または、買換資産の購入価格の方が多い場合

国に納める税金=課税対象金額×実行税率(個人所有なら26%、法人所有なら40%程度。)

課税対象金額=収入金額−必要経費

収入金額=現所有(売却)物件の売却金額×0.2
必要経費=現所有(売却)物件の簿価+現所有(売却)物件の売却に掛かる経費


(B)現所有(売却)物件の売却価格が買換資産の購入価格より多い場合

国に納める税金=課税対象金額×実行税率(個人所有なら26%、法人所有なら40%程度。)

課税対象金額=収入金額−必要経費
(ここまでは、同じです。)

収入金額=現所有(売却)物件の売却金額−買換資産の購入金額×0.8
必要経費={現所有(売却)物件の簿価+現所有(売却)物件の売却に掛かる経費}×{収入金額÷現所有(売却)物件の売却金額}



実際に具体例を上げて計算してみると以下のようになります。

例:時価2億円、簿価5千万円の物件を売却し、1億の物件を購入した場合。<現所有物件の方が高い為、上記の(B)の計算式を使用します。>

買換特例が使えない買換時及び現金化などのケースで支払う税金を計算すると

2億円(時価)−5千万円(簿価)=1億5千万円(譲渡益≒課税対象利益)

となり、個人所有の場合は、「1億5千万円×税率26%=3900万円」、法人所有の場合は、「1億5千万円×税率40%=6000万円」が、国に納める税金となります。


それに対して、
買換特例を使った不動産売却で支払う税金を計算すると以下のようになります。

1億5千万円(譲渡益)×{2億円(時価)−1億円(新規物件の取得価格)×80%}÷2億円(時価)=9千万円(課税対象利益)

となり、個人所有の場合は、「9千万円×税率26%=2340万円」、法人所有の場合は、「9千万円×税率40%=3600万円」が、国に納める税金となります。


特例使用しなかった場合と特例使用時の「購入資金と売却経費を無視した売却による手残り金額」を見ると、それぞれ以下のようになります。

特例を使用しなかった場合
個人所有の場合:11,100万円
法人所有の場合:9,000万円

がそれぞれの売却による手残りとなります。

特例を使用した場合
個人所有の場合:17,660万円
法人所有の場合:16,400万円

がそれぞれの売却による手残りとなります。

こうやって比較すると売却益が大きい物件の場合、課税の8割が繰り延べになる効果は思いの他、大きい事が解かります。


※簡便化する為、購入及び売却に関わる経費は省略して計算しています。


注意すべき点としては、売却による譲渡利益が8割控除してもらえる代わりに新規購入物件の簿価も実際の取得価格から8割控除されてしまう事です。
“減価償却費の圧縮及び新規購入物件の再売却時に掛かる譲渡税”を通じて、結局は国に税金(譲渡税)を納付する事になります。

要は、節税効果というより税金の繰り延べ(延税)効果を期待して利用すべき手段といえます。


上記のメリットと注意点を踏まえた結果から、現在のご所有不動産が次の@とA両方に当て嵌まる物件の場合は、この事業用資産買換特例の延長をチャンスとして、保有不動産組み換えの実施を前向きに考えられててもいいのではないかと思います。

@現所有(売却)物件の簿価が、時価と比べ相当に低い。
A現所有(売却)物件の立地が郊外などに所在し、人口(立地の競争力)が都心部に比べ下落傾向にある。

又、個人所有物件と法人所有物件のどちらを売却するかをお悩みなら、“税の繰り延べ効果”は、法人所有の方が大きい事も頭の片隅に入れておいて下さい。実効税率が法人の方が高いので、単純にその“税率の差”の分、法人所有の方が繰り延べ効果は大きくなります。


また上記でご説明した通り、買換えで購入した資産の簿価も圧縮されてしまう為、買換で取得される不動産は下記のような特徴を有した不動産である必要があります。


@キャッシュフロー
購入物件保有期間中(再度の売却まで)のCFは、購入物件CFの方が、現所有物件CFより大きい。
Aキャピタルゲイン(ロス)
購入物件を再度売却する将来時点においての売却価格は、新規購入物件の方が、現所有物件を売却した場合より大きい。(新規購入物件の方が、現所有物件より、将来時点の資産価値が有望な物件である。)

現所有物件を継続保有するのに比べ、資産の組み換えによって大きくなった「上記@とAの差額」の方が、「新規物件購入に関わる必要経費及び新規物件の再売却に掛かる経費」より大きい。

※再度売却される日を先に設定するのは難しいでしょうから、最低保有期間や最長保有期間の場合など数パターンで計算される事をお勧め致します。


又、買換え特例を使うなら、「購入対象資産は建物より土地を選択」すると償却の関係で、より大きな税の繰り延べ効果が得られる事も補足させて頂きます。

恐らく、既に建物がある不動産でも、土地と建物の所有者を別けるなどの方法により、土地部分を選択する事ができるのではないでしょうか?(ちょっと怪しいので、税理士さんに確認しておきます。)


この特例によるメリットは、あくまで買換えにより取得した不動産を将来時点に再度売却されるまで(以下、再販)の延税効果である事から、「再販までの期間中のCF増大メリット」か「将来時点の再販の際に、現所有物件を継続保有し売却するより高値での売却が見込める」といった期間と所在地のズレを利用した裁定取引を行う様なイメージでの使用をお勧め致します。

確かにこの特例を上手に使用すれば、相続税対策の有効な手段となりますが、相続税対策のみを目的に利用する事は、あまりに短絡的な手法であり、お勧めする事はできません。



以上、さすがに再度の延長は無いと思われますので、資産の組み換えをお考えのオーナー様は、2008年末までに不動産の売却と購入を完了できるよう計画的に動かれる事をお勧めします。

尚、実際にこの買換特例制度を使用される場合は、必ず顧問税理士などの税務専門家と不動産の市場動向に詳しい不動産の専門家の両者に充分協議・相談の上の実施をお願い致します。

「現所有(売却)物件が、駐車場の場合、アスファルト舗装や車止めなどが必要」といった税の実務面の問題や「現所有(売却)物件と新規購入物件の将来時点における資産価値の予測」など、様々なポイントきちんとを抑える事が、資産組替えの成否を大きく左右する事になります。
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